下町を多面的に問うシンポジウムとそのプロセスを展示する

「下町物語2017〜2019」リサーチ記録より、撮影:福永一夫

「下町とは何か?」
という根本的な問いをテーマにした3カ年のプロジェクトを始動します。
街の風景や建築物を作品に組込み、独自の都市文化論を展開する美術家・文筆家の森村泰昌が、庶民文化と都市開発、欧米諸国とアジアなど、“私たち”の価値観を醸成する事物をさまざまに感受・考察し、「下町」的なるものをめぐる物語や風景を創作します。
プロローグである今年は、関西三都の下町をリサーチしつつも、特定の町を越えた、どこにもない架空の「下町」についてのエスキースを披露するとともに、関連する新作の映像作品の上映とシンポジウムを開催します。

[展示]
「下町物語プロジェクト2017~2019」序説
2017年11月3日(金)〜25日(土)11時〜17時※月曜日休業
会場:旧駒ヶ林保育所(神戸市長田区駒ヶ林町5丁目8-6)|有料:500円
出展者:森村泰昌(美術家・文筆家)、原澤祥輝(たこやきフレンド店主)、中村雄二郎(理容中村店主・中村美術館)、森本忠義(駒ヶ林3丁目空地見守り人)、柿原三代治(元柿原板金店店主)、柴田幸房(お好み焼志ば多店主)、堀之内薫(hairおしゃれ店主)
森村泰昌新作映像作品上映会とシンポジウム
新作映像作品 「Dr.Super Dry-我が輩は辛口である-」
シンポジウム 「そもそも下町ってなんやろか」
2017年11月12日(日)17時30分〜20時
会場:ArtTheater dB KOBE(神戸市長田区久保町6-1-1 4F)|有料1,000円(※要事前web申込)
基調講演者|山田創平(社会学者 京都精華大学人文学部総合人文学科長・准教授)
登壇者|森村泰昌(美術家・文筆家)、上田假奈代(cocoroom代表)、石原友明(京都市立芸術大学芸術資源研究センター 所長)、佐藤知久(京都市立芸術大学芸術資源研究センター 准教授)、横堀ふみ(ダンスボックス ディレクター)
進行|木ノ下智恵子(プロジェクトディレクター・大阪大学21世紀懐徳堂 准教授)
参加アーティスト:森村泰昌
主催|新長田アートコモンズ実行委員会
共催|大阪大学21世紀懐徳堂
協力|京都市立芸術大学芸術資源研究センター、
NPO法人こえとことばとこころの部屋cocoroom
助成:神戸市芸術文化活動助成
ゲストキュレーター:木ノ下智恵子
アートプロデューサー・大阪大学21世紀懐徳堂 准教授。神戸芸術工科大学大学院修了。専門は現代芸術、文化政策、事業プロデュース等。1996年~2005年神戸アートビレッジセンター美術プロデューサーを経て2005-2015年度まで大阪大学コミュニケーションデザイン・センター(CSCD)などを経て2017年4月より現職。大阪大学では企業とNPOによる社学連携コミュニティースペース「アートエリアB1」の運営などに従事。現代美術家の個展、若手芸術家育成プログラム、アートマネジメント講座、都市や近代産業遺産のアートプロジェクトなどを多数手がける。その他、愛知県・神戸市・高松市・枚方市・企業等の芸術文化関連の委員・審査委員を務め、芸術文化条例の策定や文化政策に寄与している。

ARTIST-森村泰昌「下町物語」
Yasumasa Morimura
森村泰昌
1951年大阪市生まれ。大阪市在住。京都市立芸術大学美術学部卒業、専攻科修了。 1985年、ゴッホの自画像に扮するセルフポートレイト写真を制作。以降、今日に至るまで、一貫して「自画像的作品」をテーマに作品を作り続ける。主な国内での個展に、「美に至る病/女優になった私」(横浜美術館1996)、「空想美術館/絵画になった私」(東京都現代美術館他1998)、「なにものかへのレクイエム/戦場の頂上の芸術」(東京都写真美術館他2010)、『自画像の美術史―「私」と「わたし」が出会うとき』(国立国際美術館)など。文筆の仕事も多く「まねぶ美術史」「露地庵先生のアンポン譚」などがある。

撮影:福永一夫